糖質と脂質はどちらを減らすべき?

昔ながらの脂質を減らす低脂肪ダイエットと、近年流行している炭水化物を減らす炭水化物ダイエット、どちらが効果的がご存じでしょうか。

2018年2月に米国医師雑誌(JAMA)に発表された論文によって、効果的なダイエット方法が明らかになりました。それは低脂質ダイエットも低糖質ダイエットも、効果に違いはないという事実です。

雑誌やテレビなどでは、遺伝子によって効果があるダイエット法が違うという主張が話題にもなりましたが、この研究結果により遺伝子によって向いているダイエットが変わるわけではないということが分かりました。

この発表によって、私たちはダイエットの認識をどのように変えればよいのでしょうか。

 

 

炭水化物を減らそうが脂質を減らそうがカロリーを減らしたら痩せる

米スタンフォード大学のクリストファー・ガードナー教授が行った実験は、18~50歳の被験者609人に、低脂肪ダイエットか低炭水化物ダイエットを無作為に割り当てて1年間継続してもらうというものです。

炭水化物を減らし血糖値を一定にすることで、上がりすぎた血糖値が脂肪に変換するのを阻止する、というのが低糖質ダイエットが推奨される意見の1つです。

低糖質ダイエットのこの意見が正解であれば、低脂質ダイエットよりも低糖質ダイエットのほうが体重を減らせるはずです。

しかし上記の研究では、低脂質ダイエットも低糖質ダイエットも同じだけ体重を減らすことができました。つまり低糖質ダイエットが低脂質ダイエットよりも優れた減量効果を持つわけではないことが分かりました。

乱暴な言い方をすれば、炭水化物を減らそうとも脂質を減らそうとも、摂取カロリーさえ減らせば体重が減らせることが分かったのです。

 

 

実験結果によって変わるダイエット方法

炭水化物を減らしても脂質を減らしても、体重の減り方に違いがなければ、これまでの食事制限が変わっていきます。

優先されるべきは血糖値よりも、カロリーと食事の栄養バランスとなります。血糖値のことを考えて我慢していた人も、逸脱しない程度に炭水化物を食べてもよいですし、脂質を我慢していた人もお肉の脂身を食べてよいことになります。

この食べ物を減らしたらより痩せられるから、絶対に食べてはいけないということがなくなるのです。

 

置き換えダイエットの考え方も変わる

置き換えダイエットは、特定の食べ物を食事に置き換えて体重を減らすダイエットです。

置き換えるダイエットは、ダイエット効果の高い痩せやすい食品がよいとされています。

しかし実験では、炭水化物を減らしても脂質を減らしてもダイエット効果に違いはないことが分かりました。つまりわざわざ特定の食品を置き換えるのではなく、全体の食事の量を減らすだけでも減量効果があることが分かったのです。

食事を特定の食品へ置き換えるダイエットは、栄養が偏りやすい身体が疲れやすくなるおそれがあります。毎日の食事の栄養バランスが整っているのであれば、置き換えダイエットよりも、野菜を多く食べるなど摂取カロリーを減らすダイエットに取り組んだほうがよいでしょう。